道満晴明が新連載2本スタート ウルトラジャンプとヤングチャンピオン烈にて
オムニバス連載。初回は一挙二話掲載。
figure.1(第1話)は「Apocalypse 終末」。世界が滅びても引きこもろうとする少女が飼い猫に裁かれる。落語のような「業の肯定」が短編の切れ味で描かれていて、どっしりと含蓄もある。回想へのイン・アウトを見開き2ページの中に収める手際がスマートだ(音でつなぐのも巧い)。
figure.2「Bobby Fischer ボビー・フィッシャー」。チェスのコンピュータソフトを負かす腕前の小学生と森のマジョとの交流(混浴)。俗に言う「おねショタ」だが現実との折り合いの付け方に味がある。「でもどっちを実行してもお姉さんが犯罪者になっちゃう」という台詞、初見ではするりと読んでしまったが胸を打つものがある。そのふたつの行為が同じ箱に入ってしまうのだなあ……。機械がリザイン(投了)する際にロボットアームがうなだれる様がユーモラスだ。
- 『バビロンまでは何光年?』ヤングチャンピオン烈2017年No.2(1月17日発売)から開始
人間・ロボ・マスコット的な生き物のトリオが宇宙船で旅する図式は藤子・F・不二雄を思わせるもので、カラー扉絵だけ画風も寄せてきている。アオリ文は「SukoshiFuckな珍道中!!」。
ダイレクトな下ネタに異星人ネタを絡める内容で、げらげら&にやりと笑える。キャラの出自にかかわる話も匂わせていて、毎話サクッと楽しみつつ連載の中でメンバーへの愛着が深まっていけばいいなと思う。
ここで唐突に道満晴明の過去作オススメチャート。
- オムニバスが読みたい→『ニッケルオデオン』(赤・緑・青の全3巻)
- 下ネタが好き→『ぱら☆いぞ』(全2巻)
- 群像劇という単語に反応する→『ヴォイニッチホテル』(全3巻)
2011年に連載が始まった『オッドマン11』の単行本刊行が決まったらしく、2月発売予定とのこと。*1めでたい。アニメ化で話題が再燃している『亜人ちゃんは語りたい』の勢いに乗じられたりするかも……?
『スーサイド・パラベラム』単行本化はまだまだ先だろうなと思いつつ検索していたら、12月8日配信のメフィストで最終回だったと知る。担当編集者の河北壮平にはコミックスにまとめる意向はある*2ようなので、のんびり待とう。