エロマンガ家まりおによる、絵を描くためのブックガイド

 成年向け雑誌「COMIC X-EROS」の現役作家に実践テクニックを聞くコーナー「登れ!エロまんが坂!!」。60号の第60回では、まりおが「絵を描きたいけど何から始めたらいいのかわからない」人に向けて本を紹介している。


 絵の上達には模写がいいとよく聞く。「見たものをそっくりに描く技術の第一歩としておすすめ」されているのが、ベティ・エドワーズ『脳の右側で描け』だ。他にも近刊から定番まで、練習書と関連書籍を理由も合わせて紹介している。エロマンガに限らず、人体を描く基礎を学びたい人には参考になるのではないだろうか。

 また番外で「毎日練習を続けることができない」などの悩みに対して、スティーブン・ガイズ『小さな習慣』を挙げていた。読んでみたところ理屈には納得させるものがあったので、実践してみて感想を書こうと思っている。


 ブックガイドは前半のページで、後半はインタビューとなっている。
 絵や漫画を描き始めたきっかけについて「仕事として明確に意識したのはA-10先生に出会って以降」との回答は収穫だった。大学の漫研の先輩とのこと。好きな作家に接点が見つかるのはうれしい。
 作画のための本ではなく「「漫画」の作り方についておすすめの書籍などはありますか?」というのはいい質問だ(不勉強なもので「あー、あれね。読んだことないけど……」という本が紹介されていたので近々買います)。さらにカルロス袴田によるネームのコツの記事も参考になるとのこと。

 あと『あしたのジョーに憧れて』や『マンガ サ道 〜マンガで読むサウナ道〜』の話もしていて、最近のマンガもちゃんと読んでるんだなと思った。

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 まりおは『デッサン55の秘訣』が「これから絵を描き始めたい人から現在描いている人まで広くオススメしたい実践的な良書」でありながら絶版のため、マール社に再販を呼びかけていた*1。幸い復刻の企画が通ったようで、1月24日に発売されていた。ありがたい話だ。



位置原光Zがファミリー4コマ誌のコラムで18禁ゲーム『臭作』を語る


まんがライフオリジナル 2017年 11 月号 [雑誌]


 『ポプテピピック』で一躍有名になった竹書房から刊行されているファミリー向け4コママンガ誌「まんがライフオリジナル」。リレー形式でのコラム「マンガ家ゲーム日記」が掲載されていて、11月号(10月11日発売)の第3回には『アナーキー・イン・ザ・JK』の位置原光Zが登場。18禁アドベンチャーゲーム『臭作』(1998年)を紹介している。
 エロゲーとしてのシステムなど概要の解説は簡潔で判りやすく、おそらく本作のキモである部分については『魔法少女まどか☆マギカ』と『Undertale』を絡めて語っていて、ぐっとプレイしてみたくなった。1ページのコラムに可愛いヒロイン勢が描かれていて文章も手書きなので、同人誌即売会のペーパーやコピー本の趣きがある。
 お友達紹介で次号に呼ばれたのは『hなhとA子の呪い』の中野でいち。コーナーの題字がハトポポコなこともあり、コミティアの内輪で回してる感が強い。スマブラの話をしてくれるのではと予想している。


 それにしても、むんこ・みずしな孝之小坂俊史が載っているほのぼの系の雑誌で盗撮陵辱モノ18禁ゲームをオススメする行為はアナーキーだし、編集部の懐の広さには感謝したい。



 商業デビュー読切。女子たちの下ネタ最高。

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 『Undertale』は非常に面白かったというか、得難い経験だった。『MOTHER2 ギーグの逆襲』と変わった演出が好きな人には強くオススメしたい。ゲームシステムやある種の構造について語りたくなるところだが、全てを支えているのはキャラクターたちの魅力に尽きると思う。

表現への挑戦 女子高生ラップバトル部『キャッチャー・イン・ザ・ライム』連載開始


週刊ビッグコミックスピリッツ 2017年34号(2017年7月24日発売) [雑誌]


 背川昇による新連載『キャッチャー・イン・ザ・ライム』が週刊ビッグコミックスピリッツNo.34(7月24日発売号)で始まった。
 しゃべるのが苦手で全然言葉が出てこない高辻皐月が、即興のラップで戦う「フリースタイルバトル」の部活に誘われる。

4コマパートの導入と開放

 作中で「4コマ」「非4コマ」のふたつの形式を使い分けているのが特徴的だ。入学式が明示される冒頭1ページ目は一般的なストーリーマンガのコマ割りだが、自己紹介がうまくいかず部活をどうしようか迷うシーンは4コママンガで描かれ、ラップバトル部のふたり(天頭杏・南木原蓮)が登場すると再びコマ割りが自由になる。
 4コマ形式のメリットは情報量だ。見開き2ページに対して4コマ×4本、4つのエピソードを描ける。読者としても見慣れたフォーマットだから詰めこまれた印象は受けにくいだろう。今回新連載の第1話にもかかわらず18ページという短さで、その尺にうまく収める効果は見込める。
 そして4コマという「制約」からの自在なコマ割りには対比で開放感が強く表れる。大ゴマのインパクトは格別だ。2話以降もこの使い分けを続けるのなら、バリエーションや発展形を見てみたい。


 4コマパートを別枠で進行させるテクニックといえば九井諒子『現代神話』*1だろう。


 博『明日ちゃんのセーラー服』では、見開きで4×4の16コマを「教室の座席に対応した生徒16人の名簿」として打ち出していて衝撃的だった(手前のページに名簿を開く指のコマを置いておく前振りにも注目)。

音のないマンガでラップを魅せられるのか

 ラップといえばライム(韻)。韻を踏む――母音が共通する言葉を重ねることで、リズムを作っていく。たとえば今回の扉絵には「日々最低 起死回生」「自己嫌悪、イノセントな言葉で仕留めんの」といったリリック(歌詞)が書かれている。
 しかしマンガの台詞は目で追いながら意味を拾ってはいるが音声として認識していない気がする*2。作中のバトルでは韻を踏んでいる箇所を太字で判りやすくしていたが字面だけではおそらく不十分で、読者が「脳内で音読」する姿勢に入る必要がある。個人的には特に意識しなくても、文章や単語をかみしめるような演出(今回でいえばタメ+傍点)があれば音で伝わっていると感じた。
 さらに本作はラップの中でも「フリースタイルバトル」だ。先攻後攻に分かれて、交互に相手を即興でDisる(けなす)。勝敗は観客のリアクションや審査員で判定。Disは的確か?前のターンのDisに十分にアンサーしているか?韻の踏み方はどうか?といった点に着目される。
 マンガは時間をコントロールできる。ボクシングで本来なら一瞬の間に、選手が何を思案しているのか心の声をかぶせられるし、実況が長々としゃべることすら不自然ではない。ラップバトルの最中にも、優勢か劣勢か、Disが痛烈か返せそうか、などの心情描写を加えることで、リアルとは異なる面白さが出るかもしれない。
 とにかくマンガで描くのは難しそうな題材だが、それだけにどんな表現が出てくるか楽しみでもある。エピソードを重ねてキャラクターの人間性が深くなるほどDisも活きてくると思うので連載が続いてほしいところだ。

監修に般若&R-指定(Creepy Nuts

 「フリースタイルダンジョン」という番組で、賞金を狙うチャレンジャーを倒すモンスターとして出演しているラッパーのR-指定(Creepy Nuts)、そしてラスボスの般若が監修の名義でクレジットされている。
 作品にどういった形で介入しているのかは判らないが、最近はお笑い芸人がラップをやると流行に迎合するなとか言われがちなので、ブームの立役者がバックについているのは心強いと思われる。
 今回のスピリッツには新連載記念企画「フリースタイルバトル講座」と称した鼎談が掲載されている。素人の自分にもなるほどと思える話が多かった。

背川 ラップが上手いのとフリースタイルバトルが強いのは、また別の話ですよね。
般若 バトルで勝ちたいなら、イヤなやつになるしかない(きっぱり)。
R-指定 ただ同じイヤなやつでも、勝てるやつと勝てないやつがいて、勝てるイヤなやつには、「こいつのここがダメや」っていう、相手をよく見てるからこそ出てくるフレーズがある。これは相手をちゃんと観察する愛がないと出てこない。

(週刊ビッグコミックスピリッツ2017年No.34 p.194)
 勝敗のカギとしても納得がいくし、フリースタイルダンジョン出演者のカップリング二次創作をTwitterで度々見たことを思い出した。いわゆる「関係性萌え」みたいなエッセンスはマンガだとより使えるかも……?

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 背川昇は腋汗という名義で、主にコミティアで活動していた。サークル名はキセガワ上流。

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【追記】『キャッチャー・イン・ザ・ライム』1巻が2018年2月23日に発売された。表紙かっこいい。

キャッチャー・イン・ザ・ライム 1 (1) (ビッグコミックス)

*1:『竜の学校は山の上』に収録

*2:アニメやゲームも存在するキャラクターをマンガで読む際に声優のボイスが想起される人がいるとは聞く。

ニチアサ視聴復帰宣言 宇宙戦隊キュウレンジャーとキラキラ☆プリキュアアラモードが面白そう

 テレビ朝日系列では日曜日の午前7:30から、スーパー戦隊シリーズ仮面ライダープリキュアが続けて放送されている。「ニチアサ」と呼ばれている枠だ。
 ここ数年はテレビから離れていたが、2月からの新番組が面白そうなので毎週追っていこうと決めた(※仮面ライダーシリーズの新番組開始は10月頃)。

宇宙戦隊キュウレンジャー』 2017年2月12日 朝7:30スタート

 『秘密戦隊ゴレンジャー』から始まったスーパー戦隊シリーズの41作目。
 いきなりメンバーが9人いる。正直このインパクトでもうやられた。普通の人間以外のキャラクター(役者の顔が見えない獣人みたいな姿)も交えた混成チームというのも好みだ。今回のモチーフは星座で(シシレッド、サソリオレンジなど)変身後のスーツのデザインにもはっきりと個性が出ている。
 スーパー戦隊シリーズは楽しめるポイントが色々ある。若手俳優のファンもいれば、スーツアクターの殺陣に着目している人もいる。個人的に重視しているのは合体ロボ。作品を見ると決めたらなるべく情報は入れないようにしているので、どういうギミックで合体するのか、のちのちに登場するであろう新兵器とどう組み合わさるのか胸が弾む。
 『エリア51』『ノブナガン』で知られるマンガ家、久正人がデザイナーとして参加している*1のも視聴を決めた理由のひとつだ。ロボなど玩具として商品展開される部署ではなく、怪人などのデザインに共同で携わっているとのこと。『びっくりモンスター大図鑑』という大きな児童書を出したこともある作家で、空想生物のディテールのこだわりには定評がある。


 新番組に便乗して丹羽庭トクサツガガガ』をオススメしておきたい。スーパー戦隊シリーズにハマっている女性が主人公で、特撮オタク特有のネタ(児童向け専門雑誌がネタバレ全開とか)もふんだんにありつつ、趣味をオープンにできない苦悩には普遍性も感じる。世相という意味でも今読まれてほしい作品。2014年11月に1巻発売。既刊9巻。

トクサツガガガ(1) (ビッグコミックス)

キラキラ☆プリキュアアラモード』 2017年2月5日 朝8:30スタート

 女の子たちが絆を深め、変身して敵と戦うプリキュアシリーズ。14作目となる今回のモチーフは「スイーツ」×「アニマル」。

  • うさぎショートケーキ キュアホイップ
  • りすプリン キュアカスタード
  • らいおんアイス キュアジェラート
  • ねこマカロン キュアマカロン*2
  • いぬチョコレート キュアショコラ。

 以上、初期メンバーが5人。これはシリーズの中では多い方だ(初代は名前通り『ふたりはプリキュア』。前作『魔法つかいプリキュア!』は途中で仲間が増えて3人で先日最終回を迎えた)。個人的にはどちらかといえばメンバーがたくさんいた方がにぎやかで楽しい。大好きな『スマイルプリキュア!』が5人構成だったので、「再来」を感じたとみなすのが正しいかもしれない。
 しかしこの5人、ギャップがある。中心の3人がちいさなカワイイ系なのに対して、両端2人のキャラデザはすらりとした耽美系だ。キュアショコラ(赤)は男装の麗人といった趣きを感じさせる*3。そうするとキュアマカロン(紫)も相手役に見えてくる。このアンバランスとも思えるマリアージュがどんな味わいになるのかが楽しみだ。


 定番の見所としてはオープニングとエンディングの映像、それと変身バンク*4だろう。目新しさという意味では、お菓子作りという要素がシナリオやバトルとどう結びついていくのかが気になる。


 『映画プリキュア ドリームスターズ!』にも大いに期待している。3月18日公開。

 監督は宮本浩史。プリキュアシリーズのエンディングといえば3DCGモデリングのキャラクターによるダンスで、その映像を数多く手がけてきた。予告編*5から察するに途中からフルCGムービーにスイッチすると思われる。短編ながら1本丸々3DCGモデリングでやりきった『プリキュアとレフィのワンダーナイト!』からさらに発展したものを見たい。
 宮本浩史の作品の中では『ハピネスチャージプリキュア!』前期エンディング「プリキュア・メモリ」が最高だと今でも思う。あれには感動した。

*1:東映の公式サイトにはコンセプトアートでクレジットされている

*2:ここ、万人が「おいおいかぶってるぞ」と思うだろうにマカロンを押し通した判断の強さ

*3:キャラクター紹介映像の名乗りのカットでバックにある大階段は宝塚歌劇を強く連想させる

*4:毎週くり返し使われるパート。お決まりの見せ場でもあるためコストをかけた密度の高い映像になる

*5:ラストの全員集合カット、センターのキュアホイップが「ガイナ立ち」でアガる

道満晴明が新連載2本スタート ウルトラジャンプとヤングチャンピオン烈にて


 オムニバス連載。初回は一挙二話掲載。
 figure.1(第1話)は「Apocalypse 終末」。世界が滅びても引きこもろうとする少女が飼い猫に裁かれる。落語のような「業の肯定」が短編の切れ味で描かれていて、どっしりと含蓄もある。回想へのイン・アウトを見開き2ページの中に収める手際がスマートだ(音でつなぐのも巧い)。
 figure.2「Bobby Fischer ボビー・フィッシャー」。チェスのコンピュータソフトを負かす腕前の小学生と森のマジョとの交流(混浴)。俗に言う「おねショタ」だが現実との折り合いの付け方に味がある。「でもどっちを実行してもお姉さんが犯罪者になっちゃう」という台詞、初見ではするりと読んでしまったが胸を打つものがある。そのふたつの行為が同じ箱に入ってしまうのだなあ……。機械がリザイン(投了)する際にロボットアームがうなだれる様がユーモラスだ。


 人間・ロボ・マスコット的な生き物のトリオが宇宙船で旅する図式は藤子・F・不二雄を思わせるもので、カラー扉絵だけ画風も寄せてきている。アオリ文は「SukoshiFuckな珍道中!!」。
 ダイレクトな下ネタに異星人ネタを絡める内容で、げらげら&にやりと笑える。キャラの出自にかかわる話も匂わせていて、毎話サクッと楽しみつつ連載の中でメンバーへの愛着が深まっていけばいいなと思う。



 ここで唐突に道満晴明の過去作オススメチャート。

  • オムニバスが読みたい→『ニッケルオデオン』(赤・緑・青の全3巻)
  • 下ネタが好き→『ぱら☆いぞ』(全2巻)
  • 群像劇という単語に反応する→『ヴォイニッチホテル』(全3巻)


 2011年に連載が始まった『オッドマン11』の単行本刊行が決まったらしく、2月発売予定とのこと。*1めでたい。アニメ化で話題が再燃している『亜人ちゃんは語りたい』の勢いに乗じられたりするかも……?
 『スーサイド・パラベラム』単行本化はまだまだ先だろうなと思いつつ検索していたら、12月8日配信のメフィストで最終回だったと知る。担当編集者の河北壮平にはコミックスにまとめる意向はある*2ようなので、のんびり待とう。

新年のご挨拶 2017

 あけましておめでとうございます。2017年もよろしくお願いします。


 いつも掲げる目標「とりあえずブログ更新」が達成されないままなので、引き続き試みる方向でひとつ。「年明けを区切りに頑張る」ことができるなら先行して12月から実行することも可能なはずだ……と考えるも結局スタートを切れないとか、「俺マン」*1を選ぶために12月31日ギリギリまで追い込みをかけるも読み終わらないとか、毎度反省が活かされていない。いまこれを書きながら迫る24時に焦っている辺りも相当駄目だ。
 継続が苦手な自分でもTwitterでのマンガ新刊注目タイトル発売告知は習慣として身に付いたので、この成功体験を他にも応用したい。あとは抱負がふたつほどあるので、その実現に向けて予定を組んで進めていく。何にせよ手を動かして形にすることが肝要だ。

*1:「俺マンガ大賞」の略。Twitterで年間ベスト作品を投稿する企画。 http://oreman.jp/about/

『イハーブの生活』『来世であいましょう』『メタラブ』小路啓之の訃報

 マンガ家、小路啓之が逝去した。自転車で走行中に転倒して頭を強く打った可能性があると見られている。


 長期連載や大ヒット作こそなかったものの、独自の作風でコンスタントに作品を発表し続けてファンを獲得している作家だった。お悔やみ申し上げます。


 2014年にモーニング・ツーヤングチャンピオン烈でダブル新連載がスタートしたのが記憶に新しい。メモしたきりでブログにアップせず死蔵されていたテキストがあったので載せておく。

  • 『メタラブ』

 モーニング・ツー8月号(6月21日発売)から連載開始。
 他人が内心望んでいるメッセージが聞こえる男の話。ずっと頑張り続ける姿勢を周囲から褒められ当人も「そういうキャラ」だが本心ではもうやめたい……と思っている人間にさらっと優しい言葉をかけるなど、コミュニケーションでは失敗知らず。ところがある日出会った女性からは何も聞こえてこない。武器を失ったら一転弱者。さてどうする?
 心の声が聞こえる能力は定番だが、ツカミがセックスなのがこの作家らしさ。相手が欲しがるベストのタイミングで挿入できる能力、これは強い。
 「聞こえる」とは言ってもマンガなので台詞と同じく、しかし差別化された文字表現になるわけで、その辺りにも着目している。両耳を通り抜けるかのように見せる横書き文章(→)と、読者の視線の流れ(←)が合わないのがやや引っかかる。

  • 『束縛愛 〜彼氏を引きこもらせる100の方法〜』

 ヤングチャンピオン烈7月号(6月17日発売)から連載開始。
 他人の頭上に浮かぶ「数字」が見える少年。この増えることはあっても減ることはない数字、変わり者の少女と遭遇してから自分にも表れたことに気付くが……。
 法則を探っていく話なのかと思いきや、主人公のものが数字どころかナメック文字より判読不能な記号の塊でぎょっとした。これが少女の秘密とどう絡んでいくのか。
 

 ちなみに初連載作『イハーブの生活』の新装版がマッグガーデンから刊行されている。

 2016年に始まったミラクルジャンプでの『雑草家族』、コミックフラッパーでの『10歳かあさん』は未完となってしまった。


 マンガ家の突然の訃報に接する度に思う。新作を読めるチャンスが永遠に失われてしまったのは哀しい。しかし一度世に出た作品は変わらず存在し続けることができる。そのためにも出版社には、絶版本の電子書籍化や、単行本未収録の原稿を編集するといった、マンガを生かす手段をお願いしたい。
 具体的には、コミックフラッパー2016年3月号に掲載された読切『浮遊する種』*1を読みたい(コミックフラッパーは2016年3月から電子版も発売されているはずだが、現在5月号以降しか検索でヒットしない)。