コミティア作家がジャンプ+に読切掲載 たいぼく『かいじゅうのつかいかた』

 怪獣だという正体を隠して学校に通う女の子の平穏危うし。
 丸っこい絵柄とザラついた筆致の同居が魅力的な作家。困った顔とあくどい表情が丹念に連発される。ギザギザの吹きだしは大声のサインとして使われるが、その形状が内に秘めた怪獣の特徴と重ねて表現されていて目を引いた。
 吹きだしをもう一例。捕食者に絡めとられるかのような表現。「いいかな」の下のコマで男が見せる顔のいやらしさがより光る。


 たいぼくは自主制作漫画誌展示即売会「コミティア」を主な作品発表の場としていたようだが、2015年3月に画楽ノ杜に掲載された読切『吸いも甘いも』で商業デビュー。ホーム社の路線で活動するのだろうと思っていたので、ジャンプ+への登場は意外だった。これがブレイクの足掛かりになってほしい。

*1:tumblrって個人サイトと呼んでいいものかよく判らない

台詞の切れ味に渋さが光るジャンプの新連載 吾峠呼世晴『鬼滅の刃』


 週刊少年ジャンプ2月15日発売号で始まった新連載、吾峠呼世晴(ごとうげ とよはる)『鬼滅の刃』が面白かった。 【試し読みはこちら】


 人喰い鬼に対抗する力を求める話。傘貼りの内職があるような和の世界観で吸血鬼ものをやる。丁寧に進めていくタイプだなと読み進めていたら、台詞がバシッと決まったシーン(生殺与奪の権)で引きこまれた。ジャンプらしさの希薄な作風に感じたため、誌面にどう適応していくのかにも注目したい。あと完全にノイズなのだけど、ギャグボールが好きなので口枷にちょっと興奮してしまった。
 で、この記事のアップが間に合わなかったので第2話も読む。うーん、さらに次号が重要な回っぽいからそれ次第かな……。


 また、吾峠呼世晴の過去の読切がジャンプ+で公開されている。4号連続、それぞれ2週間限定。


 それと『鬼滅の刃』より1週早く始まった対照的な新連載、ミウラタダヒロゆらぎ荘の幽奈さん』も合わせて読むと面白いかもしれない。超スピードで下宿に入居して住人のヒロインたちが紹介される手際は最適化の芸だ。風呂場で遭遇もするし、うっかり乳も揉む。ジャンプのお色気枠としての仕事を完遂している。 【試し読みはこちら】

とよ田みのる読切連弾企画 ゲッサン3月号からスタート


ゲッサン 2016年 03 月号 [雑誌]


 ゲッサン3月号(2月12日発売)から、とよ田みのるの読切が5ヵ月連続で掲載される*1
 第1弾は『イマジン』。小学生グループの「白線から落ちたら死ぬ」ルールのような、ごっこあそびのイメージをダイナミックに描いている。空想が生み出す力の強さを感じさせてくれる作品。
 伊集院光が「幽霊は信じないが怪談は怖い」自らのスタンスの類例として、ウルトラマンはいないけどカッコイイだろと語っていたことは記憶の引き出しの手近なところに置いてある。


 とよ田みのる作品はいずれも魅力的だが、何か挙げるならまずは『FLIP-FLAP』と決めている。全1巻。

*1:4作品、うち1作が前後編

科学的なアプローチを体現・実行する強さ 『オデッセイ』感想


Songs from the Martian(輸入盤サウンドトラック)


 火星に取り残された宇宙飛行士が生き残るために人類の叡智で奮闘する。


 無人島サバイバルの超ハードモードみたいな話。居住施設や発電装置などは残っていても、生物がいない火星では食料を調達できない。
 元々の調査チームは6人。悪天候によりプロジェクトを中断して地球に帰還することになったが、ひとりがアクシデントで行方不明に。呼びかけても応答はなく、彼の宇宙服の破損を知らせる警告が発信されて1分以上が経過したいま、生存は絶望的だ。強風により時間が差し迫る中、5人での火星脱出の決断を下す船長。報告を受けた地球では、尊い犠牲として葬儀が行われる。だが彼は、マーク・ワトニーは生きていた。
 地球からの救援には期待できない。かといって自力での脱出も不可能。暫定的な目標は「NASAが再び火星探査にやってくる時まで生き残る」なのだけど、その予定が4年後。さらに発見してもらうには現在地から3000キロ以上も移動する必要がある。そもそも正規のロケットですら地球から火星まで414日かかると言われると「天文学的」という言葉を噛みしめざるを得ない。*1


 そんな過酷な環境であろうとも、へこたれない姿勢の強さを描いた映画だ。それも無策でただ耐えるのではなく、最善を尽くすために考えて行動する。
 日誌として映像記録を残すためにカメラに向かって「実は生きている」現状を報告するシーンがあるので、以後全編に渡っての説明台詞の独白が正当化される。それどころか、いま何が問題で解決のためにどう行動するかを逐一しゃべる。たとえば宇宙船が爆発して乗組員が全滅するようなリスクを減らすために、燃えやすい物質は持ち込まれていないので火を起こすのが難しい、さてどうするか。この実験プロセスがノリノリで、本来なら深刻な状況に反して明るく楽しい。ジョークも饒舌。隊長が持ってきていた音楽のセンスに文句を言ったりもする。
 途中で流れた曲のタイトルが思い出せなくて、エンドクレジットで確認したらデヴィッド・ボウイの『Starman』だった。その瞬間にニヤリとしたかったなー。主人公が高らかに歌いあげる『Hot Stuff』の使い方は直球。
 笑ってスクリーンを眺めながら、ワトニーの前向きなふるまいには、もし失敗して自分が死んでしまったとしても残された映像が「科学の発展」に寄与すればそれでいいという意識が表れているのではないかと考えていた。
 事態の改善を模索する中で、ついにNASAとの通信に成功する場面。火星にあるカメラで地球に映像を送る(紙に文章を書いて写す)ことはできるが、地球からのメッセージを受け取る方法がない。これを解決するコミュニケーション手段の発案に痺れた。
 そしてここから、NASAによるワトニー救出ミッションが動き出す。火星での孤独なサバイバルと平行して描かれる、地球の専門家集団による計画が熱い。*2


 困難な課題にブチ当たったときに、何をするべきなのか。タスクを細分化して、いまできることを探す必要がある。絶望的な状況に陥りながらも、残された食料を数えて生存可能日数を計算する「当たり前の姿」に彼の強さを見た。

俳優について

 主演はマット・デイモン。知的でタフな役柄が似合う。『インターステラー』でも「とある星の孤独な科学者」役なので、最初に『オデッセイ』の予告編を見て「まさかスピンオフ……?」と思ってしまった。
 調査チームのメンバーでマイケル・ペーニャが出演していて得した気分に。『アントマン』での「気さくないいヤツ」キャラの好感度が高くて顔を覚えた。

小説が原作


 著者はアンディ・ウィアー。『火星の人』というタイトルで早川SF文庫として刊行されている。別世界に降り立って(本来そこでは異端とされる)特殊技能で活躍する図式が、日本の投稿サイト「小説家になろう」では定番の異世界転生ジャンルと共通している……という意見をいくつか読んだ。それから『火星の人』も元はウェブで公開された小説だと知って驚いた。

関連作品


 『オデッセイ』が長期スパンの生存計画なのに対して、『ゼロ・グラビティ』は一手のミスが死につながるスリリングな展開。宇宙空間に放り出されたら最後、何もできずに「考えるのをやめ」るしかない恐怖が伝わってくる。*3軽口を叩く相棒、ジョージ・クルーニーの役所が好き。
 『オデッセイ』で最初に火星で目を覚ましたあとに、腹部から出ているワイヤーを切断するカットがある。それを「へその尾を切る」行為の見立て、即ち「もう一度産まれる」メタファーとして受け取ったのだけど、この解釈はおそらく『ゼロ・グラビティ』に影響されている。


 人類が月へ行くには、そしてもちろん地球に戻ってくるには、どんな仕組みが必要なのかを解説。読者に対する疑問の持たせ方の誘導がうまく、当時の開発者の試作過程を追っていく流れも判りやすい。特に星の重力についての図解が役立つだろう(余談だが、あさりよしとおの描く矢印には味があると思っている)。月面着陸の時代といえば米ソ冷戦、ロケットとミサイルは技術的には共通しているという話は今でもタイムリーだ。
 タイトルに「II」と入っているが、この巻だけで独立したエピソードになっているためいきなり読んでOK。

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*1:ちなみに地球から月までの距離は38万km。地球をぐるりと1周すると4万kmなので、世界9周半と考えるとそう遠くないようにも感じる。

*2:ちなみに、ポスターに使われたコピーが日本では「70億人が彼の還りを待っている。」だが、アメリカでは「BRING HIM HOME」

*3:いやカーズと違っていつかは死ねるけれども

コミティア115で入手した本

 1月31日に開催された、自主制作漫画誌展示即売会「COMITIA115」で入手した本を記録しておく。
 【書式】 著者名(サークル名)『書名』 ※サークル配置番号順

  • エビ桃(もちほっぺ堂)『ココノツ』
  • 桐沢一三(キノコ灯)『ここはサイハテではない』
  • こめつぶ(スタントマンズ)『人間火球対人間師団 Part2』
  • イカタ(マイカタ工業)『ケモ女子ひみつ会議 冬』
  • イカタ ほか(マイカタ工業)『ぽちゃいち 2015WINTER』
  • イカタ・時田(自己責任ユッケ)『あがなうおにく』
  • 腋汗・猫峰四葉(キセガワ上流)『GODTAC115』
  • りふぁ・いなやまふみたか(小僧んとこ)『プロジェクトマネージャ候補 カワイイ後輩の育て方 the Comic』
  • ホシノテラダ・ジョニィ・にーなな(かたておち)『活動』
  • 随時(魚群)『黒猫』
  • 斉所(粉骨堂)『calm 高2の夏の話』
  • 斉所 ほか(粉骨堂)『コミックLR』
  • 肋骨凹介(肋屋)『やさしさ』
  • payjama(payjama)『My Martini EP』
  • 三島芳治(つゆくさ)『化物語
  • 山像樹(咆哮剤)『人之書』
  • 模造クリスタル(模造クリスタル)『ゲーム部10 アンダーウォーター』
  • ん(こんにちはーズ)『LILIY AND BAT 〜百合とバット〜』
  • サークル「つゆくさ」のスペースにて頒布
  • 今回のイベントの新刊ではないもの
    • 永山薫 編集(マンガ論争取材チーム)『マンガ論争14』
    • やごさん(前途洋洋だ会)『2015年創刊誌&休刊誌レビュー簡易版』
    • 鈴木小波(パコキリン)『感覚で描くパースと魚眼パースの本』
    • 土岐つばめ(はいあかむらさき)『東京発9時32分かがやき507号金沢行き』

バーズ3月号に読切 道満晴明『机上紛争』&冬目景『青密花』前編

コミックバーズ 2016年 03 月号 [雑誌]


 月刊コミックバーズ3月号(1月30日発売)に、以下の読切が掲載されている。

道満晴明『机上紛争』

 アナログでマンガ原稿を描く女子高生の机の上で、文房具同士の戦争「書き派VS消し派」が勃発。
 文具の小ネタ(ケント紙はグリップが効く)をハサミながらの、ちょっとしたマンガ家エピソードが楽しい。新兵器の提案「消しカスから造り出したこのプラスチック爆弾…」何でもアリか。まるで提供かのような「COMIC ZIN」推しは最早お約束の域。「新たなる希望」「フェティッシュな異種姦」「B級映画テイスト」が渾然一体となった読後感には、首を軽く捻りながら唸らされた。

冬目景『青密花』前編

 7年前にマンションから落ちて亡くなった姉宛てに、差出人不明の手紙が届く。
 姉の風貌が黒髪ロングでミステリアスな美人で「いよっ、待ってました!」的なテンションに。様式美だ。でもちょいぼさぼさな妹(主人公)の髪型の方がタイプなんです。「ちょっとヤな夢見て…」寝不足な表情がグッとくる。姉が家族に見せていた姿と学校での態度は実は違っていたようで、さらに同級生の友人にも打ち明けていなかった一面が……というところで引き。後編は4月号(2月29日発売)に掲載予定。

この豪勢を肯定したい 『傷物語〈I 鉄血篇〉』感想


傷物語 涜葬版


 西尾維新による小説『化物語』の前日譚に当たる『傷物語』。全三部作構成で劇場アニメ化される予定で、今回の鉄血篇が初弾である。
 そして、演出家・尾石達也の復活を待ち望んでいた人間への一撃としては充分な効果をあげた。

映画化に至るいきさつ

 講談社BOXの『化物語』は2006年刊行。妖怪変化の類いに相対する話でありながら青春のボーイ・ミーツ・ガールで、近年のアドベンチャーゲームの構造も取り入れつつ、ミステリ仕込みの技巧も冴え、全体が筆者お得意の言葉遊びで彩られている。のちに続編が次々と書かれることになって、週刊少年マンガの連載的な魅力も加わった。
 2009年には制作スタジオ「シャフト」によってTVアニメ化。監督は新房昭之で、この新房×シャフト体制は『ぱにぽにだっしゅ!』や『魔法少女まどか☆マギカ』でも知られている。
 原作では小説という媒体の特性を活かした表現が前面に押し出されているため、ただの脚本のように映像化しても魅力は発揮されにくい。解法はシンプルだった。文字をそのまま表示すればいい。特筆すべきポイントはタイポグラフィ(活字デザイン)の導入で、統一感のある「文字だけの画面フォーマット」が作成された。

(『化物語』第1話)*1
 様々な活字カットを随所に挟むことで生じるテンポ、極端なクロースアップの多用、声優によって読み上げられる音としての言葉。奇抜な要素を盛り込みながら、統一感のある映像に仕上げることに成功した。
 そしてこの演出コンセプトの中心人物が、尾石達也である(スタッフクレジットではシリーズディレクター)。*2 *3


 『化物語』の放映終了後も「西尾維新アニメプロジェクト」は継続。2011年には『傷物語』映画化決定との発表があった。*42012年以降『偽物語』ほか〈物語〉シリーズの続きが順調にTVアニメ化されていったが、尾石達也の名前はどこにもなかった。おそらく氏は劇場版に集中しているのだろうという憶測を抱えたまま、続報が途絶えてから3年以上が経っていた。


 そして2016年1月8日。尾石達也監督作品『傷物語〈I 鉄血篇〉』が公開された。

内容はどうだったのか

 総括は「潤沢」。時間をじっくり使って、特に緊迫感について満足のいく演出がなされていた。そもそも三分割で劇場公開という尺の使い方が贅沢な話だ。*5しかも今回のプロットは、もし1本の映画として捉えるとしたら、いびつだ。三部作を全て観れば筋の通った話になっているだろう……という企画も懐が深い。作画についても目を見張る出来映えだった。
 アニメーションの根元的な快楽は、平面に描かれた絵の連続が「動いているように見える」錯覚にある。本作では「はためき」が多用されていて、つまりは髪の毛やスカートが風でパタパタとなびく様子が画面に執拗なまでに盛り込まれている。ダイナミックなアクション作画の「飛躍」も魅力的ではあるが、構図は大きく変えずに単純すぎない動きを反復させる方が"animate"の気持ちよさを強調してくれる。雑に言うとパラパラマンガにめっちゃ向いてる。背景の建物はCGであることを宣言するかのような質感で、そのはっきりと立体的な空間を背負うことで、キャラクターの平面性が浮き彫りになる。
 メッセージの多重性も見所だ。多量の血痕を追って事件現場に接近していくシーンで、モールス信号の音が流れる。画面には定番の活字カットで「・・・ −−− ・・・」の表示。耳だけでモールス信号を理解できなくても、視覚でなら「SOS」だと判るだろう。実はここでさらに、上記の9文字分の記号の下にルビを振るように小さく「TTT 222 TTT」と書かれている。「トントントン ツーツーツー トントントン」という発声もまたモールス信号の特徴で、その音の文字への変換だろう。瞬間的なカットに、シンプルなメッセージが、いくつものパターンで表されている。それからしばらくの間、駅のホームの電光掲示板に延々とSOSが流れている光景の不穏さといったらなかった。
 血痕の大元は、四肢を切断された状態の吸血鬼だった。逃げ出す主人公に対して助けを求める声に、赤ん坊の泣き声をかぶせる演出があった。現場から離れても(逡巡する人間を苛むように)かなり長くに渡って泣き声は続いた。這うことしかできない姿と赤子を重ねているのはもちろん、生殺与奪の権利を「握らされている」深刻な呼びかけが耳に突き刺さる。再び舞台はホームへ。赤ん坊に見立てられる吸血鬼はしかしながら豊満な乳房を持ち、主人公はその母性へと顔をうずめる。だがここで「生きるための体液」を与えるのは、男から女へ、なのだ。二者の相互補完的な関係性が表れているようで、とても印象的なシーン。


 あとは、スカートの中を見られた羽川の表情が超そそる、とか。夜中にエロ本を買いに行くだけの(いや一大事だ)シーンにあの力の入れようは見事だった。『やる気まんまん』のオットセイみたいなベタの強さの連打。
 原画クレジットに並ぶ吉成鋼吉成曜にはテンション上がるね(梅津泰臣ウエダハジメと一緒に末尾のブロックにまとめられていた)。


 『傷物語〈II 熱血篇〉』は2016年夏公開予定。そもそもこの作品のアニメ化を楽しみにしていた理由のひとつが「がっつりボス戦があるから」なので、ここからがメインディッシュだと考えている。年内に3作目まで完成しますように。

                            • -
  • 傷物語〈I 鉄血篇〉』
    • 2016年1月公開
    • 監督:尾石達也(総監督:新房昭之
    • タイトルは「鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼」という異名から

*1:右下のBCは配信サービス「バンダイチャンネル」のロゴで、オリジナルの映像には存在しない

*2:「――小説をアニメにする上で、活字がPVでも効果的に使われてました。」「尾石 もうバリバリですね。それが、自分が監督に呼ばれた理由なんです。(略)とくに西尾さんの小説には活字ならではの言葉遊びがあって、そこは映像ではどうしようもないので、文字でフォローしていければと思っています」(『オトナアニメ』Vol.13(洋泉社) p.29)

*3:「――画作りに関しては尾石さんにお任せという感じですか?」「尾石 そうですね。シナリオ作りは原作の台詞をチョイスして「引いていく」作業なので、(原作から)根本的な部分は変わっていないと思うんです。あとは、それをどう解釈して映像化するか。監督の思いもあり、自分の思いもあり、それらが一体になっている感じです」(『オトナアニメ』Vol.14(洋泉社) p.32)

*4: http://www.animate.tv/news/details.php?id=1301559311

*5:鉄血篇は64分