Twitterには膨大な情報、140字以内の文字列が蓄積されている。しかし気軽に使える特性ゆえに、ツイート単体から意味を読み取るのが難しいケースがある。
たとえば「これ2期ありそうだな」というツイート。察しの良い方なら補完できるかもしれない。アニメを視聴しながらの投稿(いわゆる"実況")で、終盤の展開についての感想だろう、と。ただ何の作品についての話なのか、あとから特定するのには手間がかかる。
「twDisplayVicinity」というGoogle Chromeの拡張機能をインストールすれば、個別ツイートをワンクリックで前後に投稿された分も並んで表示される。「文脈の把握」が格段に容易になる。
具体的にどう便利なのか見てみよう。
例として、マンガ家の道満晴明を参照させていただく。まずは氏の過去のツイートの中からデスノートに関するものを探す。【TIPS】特定のユーザにしぼって検索する場合は「from:(ユーザID) (検索ワード)」だ。検索窓に「from:dowmansayman デスノート」と打ち込んだ結果は以下の通り。
画像の各文章は単体でも成立している。しかし6月17日の方、このつぶやきだけがぽつりと発されたのだろうか。今回のChrome拡張のインストールによって、日付のとなりに「近傍」というリンクが見えている*1。クリックしてみよう。
連続した発言の一部分だったことが判る(時系列は下の方が古い)。正直このお手軽さは衝撃的だ。
しかしながら、全貌が明らかになったわけではない。実のところ「さらなる外側の文脈」が存在している。
2015年6月17日には、アニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』、通称「あの花」がスペシャルドラマとして実写化されるとの発表があった。それを受けてか、この日は実写化に関するツイートが頻繁に目に入ってきた。おそらく上に貼った発言も、Twitterのタイムラインから得た情報に影響を受けていた可能性が高い。
過去の無数のツイートを真にアーカイブとして活用するための「文脈の把握」はまだまだ難しい。個人的にはfavologというサービスを利用しているが完全ではない。
本題に戻ろう。個別ツイートの前後を表示できる機能ということは、何の発言を拾ってくるかが肝心になる。あらゆる検索テクニックに言えることだが、掘れる情報の深さは対象への理解度に左右される。
たとえば道満晴明は、アニメを実況する際に「○○また」*2とまずツイートする。『響け!ユーフォニアム』の場合は「ユーフォまた」だ。つまりこの検索ワードで毎週の実況開始地点をピックアップして、近傍ツイート検索と組み合わせることで、すべての実況ログを発掘することも可能となる。
あれこれ書いてはみたが、実際の利用方法としては、公式リツイートで回ってきた発言に対して「どういう流れで言ったことなのか?」「(リツイートした人間が)妙な部分だけ切り取ってはいないか?」というチェックが簡単に行えて便利、という面が大きいだろう。開発者の方に感謝したい。
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おまけ。人によっては最も重要な機能。
まず誰かの発言を公式リツイートして、続けてそれに対するコメントを自分がツイートする、という使い方は一般的に広まっている。「twDisplayVicinity」を使えば、Twitterの通知欄「○○さんがあなたのツイートをリツイートしました」部分から、相手のリツイート前後の投稿を表示できる。「リツイートされたみたいだけど、何か言われてないかな?」という確認があとからでも簡単に。
ただこの用途に関しては、下のサービスの方がずっと便利だろう。