『バクマン。』41話の感想

 『アイシールド21』完結。7年間お疲れ様でした。次回作を待つのは当然として、差し当たり『ヘタッピマンガ研究所R』の次回を楽しみにしています。
 JG1読切祭第3弾、岩本直輝『黒蜜様 参る!』。爺の若者言葉と老人言葉の使い分けがしっくりこない。江戸時代そのままでなく、江戸風の架空世界(キャップやサングラスがある)を舞台にしていて文明レベルが判然としないため、銃器の出現が云々という文章の説得力が弱く感じてしまう。細かい点をあげつらっても仕方ないんだけど、全体としては、よくできてるけど面白みが薄いといった印象。こういう作品を読む度に、ベタなのに面白いマンガってすごいなと思う。好きな作品の『護衛神エイト』(ガーディアンエイト)を知らなかったのでググってみたところ、吉崎観音が1997年からガンガンで連載していた作品らしい。全5巻。
 以下、『バクマン。』の感想。ネタバレ注意。




 作品内でキャラクターが順位を心配する状況で、実際に『バクマン。』が下から5番目という悪い冗談。
 編集者たちが方向性について意見を出し合う様が面白かった。小学館が某騒動で何かと欠点を指摘されていた中で、編集者の異動が多いという点は確かにやりづらいだろうなと思った。
 ようやく2人で創り上げた『偽探偵TRAP』を、シュージンは場合によってはバトル展開への変更もありとした。2人の目標が「面白いマンガを描く」ではなく「人気マンガを描いてアニメ化」なことに違和感がある。序盤はそれでも構わなかった(むしろ斬新と感じた)が、サイコーにマンガへの情熱を抱いていた過去があったエピソードで「描きたいもの」という言葉が出てきたが故の違和感だと思う。
 港浦が方針を固める。「このまま終わってもだ!」という言葉に決意を感じた。
 自分が週刊少年誌のメインターゲット層から外れたからこそ思うことだが、「人気を取るためのテコ入れ」には賛成できない。商業作品である以上、作者自身が面白いと感じるだけでは不充分で、読者を楽しませるという視点を忘れてはいけない。しかし「読み手に(自分が面白いと思った内容を)判りやすく伝える工夫をする」ことと、「多数の読み手から賛同を得られる方向に内容を変更する」ことは違う。
 そもそも多数の読者から感想が寄せられたのならともかく、3話が9位だからと推理モノをバトル展開に持っていくのは早計だろうという話。そういえばジャンプのアンケートハガキには、新連載の方向性についての質問項目があるはずだが、そこには触れられてないな。
 人手不足のせいで下山(エイジのアシスタントを無断で辞めた彼)に再び声が掛かっていて笑った。
 元担当、服部は一歩引いた位置で良い役割。