貞本義行の画集と、ついでにエヴァの話

貞本義行画集 CARMINE

貞本義行画集 CARMINE

 13650円はあまりに高くて見送り。画風の好みを抜きにしても"貞本絵"が周囲へ与えた影響の大きさから資料的価値はあると思うけれど、絵に造詣が深くない自分にその価値は見出せない(身体のバランスが独特だという文章をどこかで読んだがぴんと来なかった)。何より画集のクオリティである必要性を感じるほど貞本義行の絵に思い入れがない。
 幸いバイト先の社員の人に読ませてもらう機会があった。時間がなかったので鶴巻和哉との対談にだけざっと目を通した中では、小道具についての話が面白かった。単なる記号としてのギターやバイクにならないよう『フリクリ』ではきちんとリッケンバッカーやべスパとして描いた、「このキャラにはこの道具が似合いそう」ではなく「このキャラならどの道具を選ぶか」という方向性で考える→道具によってキャラクター性が伝わる、カリオストロの城で車のフロントガラスが衝撃を受けて白く濁り前が見えなくなるシーンは現物を知っているからこそできる描写、など(曖昧な記憶による要約)。
 他に庵野秀明細田守それぞれとの対談も収録されている。個人的には画集それ自体や各種特典より、対談の方がはるかに魅力的。価格によっては2009年末に発売される通常版を対談目当てに買おうかとも思ったが、どうやら対談集も限定版のみの特典らしい。残念。
 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』は6月27日公開。思っていたより早い。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 1.11』は、「破」以降もブルーレイで統一するために買ってしまう予定。
 少年エースの兄貴誌として「ヤングエース」が7月に創刊され、貞本エヴァはそちらに移籍するとのこと。まあ休載続きでもエースが成り立ってるんだから、新増刊に目玉を据えた方が良いんだろうな。