『バクマン。』42話の感想

 JG1読切祭の第4弾は、春日真『ULTIMATE CHASER』。主人公の体格が単なる記号に留まらず、スポーツに対するコンプレックス、並びにカートへの熱意につながるプロットはよく出来ている。レース開始前のコマ(バルルルルの描き文字)の構図は、もう少し他に描きようがあるだろうと思ってしまった。カートをもっと目立たせるとか。
 暁月あきらの描くおっぱいは、いまいち魅力的に映らない。笑顔はぐっと来るのに。
 『ぬらりひょんの孫』、椎橋寛のデビューがビジネスジャンプというのは意外。21歳でビージャンに載るものなのか。
 ギャグマンガの人気投票をいじる回は大好き。
 『黒子のバスケ』の順位急落に驚いた。
 今回の『To LOVEる -とらぶる-』は割と好み。でも生クリームは趣味じゃない。
 『フープメン』、作者がやろうとしていること自体は悪くないと思うんだけど、どうにも見せ方、運び方がうまくなかったのかなぁ。
 以下、『バクマン。』の感想。ネタバレ注意。




 高浜が良き相談役として機能している。客観的な評価ができていることも後半で明らかに。
 「笑いも勉強すれば作れるはず」なのかもしれないが、その方法が「今ウケてるお笑いのソフト買えるだけ買ってくる」というのはいかがなものか。「エンタの神様」の臭いがする。…と思ったが、安易な模倣に走る方向ではないと判り安心。
 気に入っている元担当の服部が有能な先輩ぶりを発揮していてうれしい。
 M-1だけ名前がパロディになっていないのは何故。
 今回は「セリフを磨く」方針か。名言とはちょっと違うが、台詞回しにセンスが感じられる作家は好感を持たれる、という考えは正しいはず。自分が好きなのは荒木飛呂彦古賀亮一小路啓之など。個人的にはさらに、良い台詞として取り上げられないもっと狭い範疇での、言うなれば文体を重要視している。判りやすい例を挙げるなら、大場つぐみの多用する「!(改行)………」。絵やコマ割りと同様に、文体もまた「作家の特徴が表れている≒読者に個性を感じさせる」ひとつの要素であって云々、という主張をうまくまとめたいと思いつつうやむやなまま。
 ファンレターは作家のモチベーションを高める意味でとても大事だと判っていながら、自分より熱心なファンが出してるだろうという思考に逃げて、全く書いたことがない。雑誌のアンケートハガキで勘弁して下さい。一線級でない同人作家の方々には、メールなりコメントなりで感想や応援のメッセージを伝えたりもする。自分の意見の重みが相対的に増すとの判断から。