Fellows! 2009-APRIL volume 4 (BEAM COMIX)
- 作者: 宮田紘次、ほか
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2009/04/15
- メディア: コミック
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表紙といいcover storyといい、妙に尻が強調されてるなと思ったら、尻にこだわりのある岩原裕二、宮田紘次の両名へのオマージュのようなものだったらしい。
- 宮田紘次『真昼に深夜子』第1話
冒頭で真昼が女の子だと気付かなかった。すみません。プロットがよく練られているせいか、キャラクターの行動原理が自然で、とても生き生きとしている。まあそんな些末なことより、自分にとってはコマを追っていて心地良い感覚の方が大事。
ビーム本誌での連作が終わってから次回作が待ち遠しかった。『Fellows!』の中では珍しく灰汁が強くないので、幅広い層に受け入れられそう。かといって特徴がない訳ではなく、きちんと自分の絵を持っている作家だと思う。
- 岩原裕二『アレックス・ブラック』第1話
『学園創世猫天!』が完結して、ビームに戻ってきてくれた。メカありバトルありの、良い意味で『Fellows!』らしくない作品。が、今回一番の見せ場はお尻を揉まれて赤面する姫様だと信じて疑わない(異論は認める)(公式サイトの予告カットで使われてて心のガッツボーズ)。途中に挿入されているアイキャッチ風のページが良い。
※以下、作品の内容に言及しています。ネタバレ注意。
- 鈴木健也『蝋燭姫』第4話
また修道院で走り回る話か、と思っていたら大ピンチで引き。どうするどうなる。あと「歌う=口を割る」は何となくヤクザの隠語だと思ってたけどそうでもないのか。
- 長野香子『ノラ猫の恋』第3話
完全に疑似家族モノ(というジャンルがあるらしい)の様相を呈してきた。澤は仕事に行かなくて大丈夫なんだろうか。
- 原鮎美『言の端に咲く』
ピュアすぎる。でも「あーはいはいベタなやつね」と白けずに読ませる力はあった。下の名前を知ってることを不審に思われたのでは、などと狼狽える男子に共感。茶髪で長髪のサバサバした女の子が良いアクセントになっている(自分が柚原チカを好きなことを差し引いても)。
- なかま亜咲『健全ロボ ダイミダラー』第3話
第3話にして、主人公不在でペンギンがやりたい放題の回。くだらなくて良し。
- 久慈光久『鎧光赫赫』
太刀と槍の戦い。序盤の攻防、集中線が多すぎて単調になっているような気も。
今回で『機動旅団八福神』を読んでいるのが前提の構成だと判り、ますます何故ビーム本誌で載せないのか疑問に思った。どちらの読者のためにもならない。ただ弓削の良い笑顔が見られて安心した。
- 冨明仁『Box Seat』
かつて、電車内で足が触れ合う様をここまで劇的に描いたマンガがあっただろうか。この作家がますます好きになった。あと、桜玉吉が小学校の頃に、机の下で女の子と足をくっつけ合って淫靡な高揚感に浸っていた話を思い出した。
- 百名哲『演劇部5分前』第2話
部活モノの定番、顧問を頼める先生を探すの巻。個人的には下らない会話の応酬が気に入ってるんだけど、今くらいの分量が真面目なストーリーの進行にめりはりを適度に効かせる良いバランスなんだろうなと思う。
- 福島久美子『水晶石の森』第4話
大介さんの名前が日本人風なことに違和感があったが、まさか源氏物語的な時代を経ている世界観だとは想像もしなかった。ある意味、連載陣の中で最も意外性のある作品と言えなくもない。
- 高田築『バックパック・ラン』前編
バイクの逃走劇が良い。絵に大友克洋の影響があるように見えたけどおそらく気のせい。
- 空木哲生『鈴木家の案件』
「仕事熱心だがリストラされてしまったサラリーマン」の典型的な造形だが、日頃の行動を「取引」と称して記録している様や、リアルさを感じさせる言動によってキャラクターが生きているため、ありがちで終わっていない。奥さんにばれているのはお約束。駅前、商店街、ハローワークなど背景が丁寧。新人に限った話ではないが、取材は大変だろうなと思う。
- 宮田紘次『ヨメがコレなもんで。』その1〜3
新連載に加えてショートラブコメ3本立てまで。巻末コメントの自画像に手を加える、この手の細かさに弱い。プロットや題材といった明確な要素ではなく、感覚的に好きな作家は何故好きなのか自分で理由を把握できない、結果として説明できないのがもどかしい。
- 丸山薫『ストレニュアス・ライフ』第4話
今までと毛色の違う話(羊だけに)。秘密兵器を披露しておじいさんが驚く所が好き。