『カリフォルニア・ドールズ』感想

 ロバート・アルドリッチ監督。1981年アメリカ公開。原題は『…All the Marbles』。
 レンタルではなく、キネカ大森で16日に観てきた。というのもこの作品、日本ではパッケージがリリースされていない(音楽の権利上の問題らしい)。2012年11月から全国各地で順次上映される中、ようやく機会が作れた。


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 プロレスとアイドルには共通項があるのではないか――特にファンがのめりこむ姿勢に――と時折考えるのだけれど、映画による疑似体験でわずかながら理解に近づけたかもしれない。「背負っているストーリーを知ることで熱が入る」、「肉体的なパフォーマンスの魅力」、そしておそらくは「目撃者になるリアルな体験の価値」。
 途中までちょっと出来が不安になる部分もあったが、いつの間にかすっかり夢中になっていて、終わってみるとこういった揺らぎも意図してコントロールされていたのかな、と。最近のエンタメ作品水準と比較すると、もっと判りやすく情報を提示するなど完成図に向けてご丁寧にレールを敷くやり方も仮定として想像できるものの、「小手先のテクニックなど不要!」と感じさせるパワーがある作品だった。
 最終戦の入場シーンは圧巻。これこそが「感動」なのだ、と情感を噛みしめていた。


 珍しくミニシアターに足を運んでまで本作を観たのは信頼している複数のスジからプッシュされていたからで、その内のひとり、clavis氏の言葉を最後に紹介しておく。