ゲッサン(月刊少年サンデー)創刊

 ゲッサン月刊少年サンデー)が創刊された。毎月12日発売。コピーは「漫画力絶対主義」。
 あだち充の新連載『QあんどA』が表紙。あずまきよひこあずまんが大王』が復活して3号連続集中連載。他、ヤングサンデーから移籍した島本和彦アオイホノオ』、『神聖モテモテ王国』のながいけん辺りが目玉か。
 別冊付録は「愛と勇気のミニ読切集」と「あだち充エッセイコミック全集」。
 単に「週刊少年サンデーが月刊化したもの」を求めてはいなかったため、全体的なカラーについては些か期待外れの感があった。ただ、明らかに住む世界が違うヒラマツ・ミノルを投入する、アントンシクをバーズから呼んでくるといった点に、先に踏み込もうとする編集の意図は見える。と思う。
 モリタイシまねこい』が頭ひとつ抜けて面白かった。自分の中では早くも「単行本が出たら買い」なレベル。『アオイホノオ』は元々好きなので別枠。連載が再開されて良かった。あだち充作品はもう「間」を味わうだけで満足してしまう。
 付録の内容が充実している。ミニ読切集の方でもモリタイシが面白かった。「最近、中規模な成功を収めているFさん」にまず笑い、飲み会に集まる井上和郎とよ田みのるあらゐけいいちという面子に驚いた。マンガ家の人脈というのは判らないものだ。「とよ田アニキ」という描き文字を見て、自分がモリタイシを気に入った理由など色々と合点がいった。他には、『ガゴゼ』を途中まで読んだだけで作者本人については一切知らなかったアントンシクに、日記マンガで親近感が湧いたり。
 あだち充エッセイコミック全集はたっぷり60P以上。巻末に漆原友紀との対談(3P)があるのが意外だった。あだち充は対談やインタビュー慣れしていると見え、含蓄のあることをさらりと言うなぁと感じた。
 ゲッサン創刊編集長代理、市原武法による「創刊によせて」の文章には僅かながら感動した。最近また出版社、編集者を叩く材料が話題になっている。中には作家に反感を抱かせる編集もいるだろうし、会社の旧態依然とした体質に問題があったりもするんだろう。でも、本気で面白いマンガを作ろうと心血を注いでいる編集者のことを思うと、安易な編集叩きは胸が痛くなる。

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 バイト先への入荷数が意外と少なかった(12部)。good!アフタヌーンは30〜40とか回ってくるんだけどなぁ(ただし返本率は低くない)。ちなみに少年サンデー15、少年マガジン25、少年ジャンプ60〜70、ジャンプSQ20といった規模の店。1日で2部しか売れていなかったのでこれはまずいと思い仕事の合間にポップを書いた。とにかくまずは手に取ってもらわないと。