DS『風来のシレン4』発売直前 新要素まとめ

 発売日の2月25日まで後少し。近年は移植作等が続いていたが、しばらくぶりに期待できそうなシリーズ新作なので非常に楽しみにしている。
 「不思議のダンジョン」を知らない方は、上記の特設ページで丁寧に紹介されているためそちらを参照のこと。
 ニコニコ動画で公式に実況動画がアップされている。実況のノリは好き嫌いが分かれると思うが、雰囲気やテンポをつかむには手っ取り早いので紹介。




 以下は経験者に向けた新要素の概要と解説。

  • 「夜」の概念
    • ターン経過で昼と夜が切り換わる(フロア移動しても継続)
    • 夜は視界が悪い。武器の欄に松明を装備すると周囲が見える
    • 夜に出現するモンスターには通常攻撃が効きにくい。またシレン以外にも無差別に攻撃を行う(いわゆるキグニ状態)
  • 夜の切り札「技」
    • 夜の間のみ使用可。1フロアにつき8回まで
    • 夜のモンスターにダメージを与える基本手段
    • 部屋全体、直線貫通、状態以上付与など、種類は様々
    • 8回分に何をセットするかは拠点で設定
  • 武器と盾の成長
    • 敵を倒した数に応じて武器や盾のゲージが増加。一定量を超えると名称が変わる
    • 基本的な強さ、強化限界、能力、命中率が変化
  • 新たな食料「バナナ」
    • 今作の基本的な食料はバナナ
    • 持ち歩いていると状態が変わる(青→黄色→完熟)
    • 完熟のまま一定ターン経過で腐る
  • 装備品が失われるのを防ぐ「タグ」
    • 「タグ」を付けた武器と盾は、シレンが倒れても戻ってくる
    • 付ける際に代金が必要。受け取りの際に追加で請求されることも
    • ケンゴウ系のはじき飛ばしによって失った場合も回収される


 昼と夜ではフロアの回り方、敵への対処方法が変わってくるため良いメリハリが生まれそう。緊張感がありそうなのも良い。松明が必要になるためか、アイテムの所持数は24個に増えている。
 動画を見る限り、技は序盤ならかなり強力。逆に使い切ると詰みなので、杖など厄介な敵に対処できるアイテムの重要度は増しているはず。技の選択にプレイヤーごとの個性が表れそう。
 従来は強い装備を拾ったら即それに乗り換えていたが、使い込むことで成長するとなると新たな判断が要求される。もう少し敵を倒してランクを上げてから合成しよう、みたいに。さらりと書かれているが、武器によって命中率が違うというのは影響の大きい変更点では。
 南国が舞台だからバナナ、というアイデアを安易と思うのは早計。ターン経過で腐るため、特定フロアでおにぎり稼ぎをするという攻略が通じにくくなる。「面倒だけどやればクリアの可能性が上がる作業」は少ない方が良いと考えているため、この変更点には賛成。
 不思議のダンジョンシリーズには「強力な装備品を作る」という楽しみ方もある(最近はすっかりその熱意はなくなったが、トルネコ2では熱心に鍛えていた)。頑張って作った装備を倉庫に眠らせておくだけでなく気軽に使えるようになるので、タグはありだと思う。当然「難易度が下がりすぎる」という意見は出るだろうが、ノーリスクではなく相応の代金が必要になるから妥当ではないかと。素潜りメインだと、使い道のない金が貯まっていく一方だし。何より、夜のモンスターがいることを忘れてはいけない。


 全体的に、従来の作品で通用していたセオリーを崩す狙いが見える。ローグライクをいくつも遊んでいる人間からすると、新たなプレイ感覚(具体的に言えば判断力を要求される場面)を提供してもらえるのはありがたい。それでいて、基本的に裸一貫からスタートするが、プレイヤーに蓄積された経験でクリアへの確率を上げられるという、ゲーム性の核となる部分が損なわれていないのが素晴らしい。
 また、インターフェース面の配慮もしっかりしている。杖の使用回数マイナス表示など従来作で好評(というよりないと不評)な仕様は採用されている上に、壺にカーソルを合わせると上画面で中身を確認できるという便利な機能も実装された。
 最終的なバランスが取れていればシリーズ最高傑作になるのでは、と期待感が高まるばかり。まあそのバランスが最も難しいんだけども(完成度を上げるという点でも、ユーザが評価する点でも)。個人的には同人ゲーに慣れてしまって一般よりテンポの良し悪しの判断基準が辛いため、その辺りも気になっているところ。