『大阪万博』 『あずまんが大王』のグッズや販促物を網羅

大阪万博

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 『大阪万博』は『あずまんが大王』の10周年記念企画本。グッズや販促物を紹介する前半と、豪華作家陣によるトリビュートコミックの後半で構成されている。よつばスタジオ責任編集。


 前半はグッズ、ポスターやポップといった販促物を始めとして、あずまんが関係の資料を徹底的に収録。ごく短い時期だけ使われた帯、雑誌内での広告、アニメDVDの各話タイトル画面、ロゴの仕様書など、その網羅ぶりたるや。「こんなこともやってたのか」と今になって知る企画も多い。O-157対策運動のポスター(埼玉県医療整備課の依頼)とか、「放課後の一年戦争展」(大阪によるモビルスーツの形態模写)とか。後者のイベント会場で即興で描かれた「小銭が不足していますのでご協力を」的な掲示物まで収録されている。
 資料には全て、よつばスタジオ代表取締役里見英樹によるキャプションが付けられていて、これがとても面白い。UMDパッケージではイラストがばらけるため数字のロゴを大きくして統一感を出す、スイングキーホルダーは揺らして面白い造形に、といったデザイナーや商品企画者の視点になるほどと感心させられる。が、資料とあまり関係のないふざけたコメントこそ本領。思わず笑ってしまうものだらけで、個人的に前半は注釈を楽しむページ。キャプションひとつで面白くできるかどうかは、編集者の腕の見せ所だよなと思った。


 後半のトリビュートコミックに参加した作家は以下の通り。括弧内は代表作。

 芳文社の4コマ勢が多い中、明らかに異彩を放っているメンバーが。
 とりあえず道満晴明が参加している段階で買い決定。最近になって快楽天を読み始めた人からしたら4コマ作家なんだろうなと思ったり。よみが好きなのでうれしかった。
 篠房六郎には要注目だという自分の判断が間違っていなかったことを再確認。まさかあずまんがキャラが一切登場しないとは。
 うさくんはげらげら笑わせてもらった。ネタがブラックすぎる。この人には初めて読んだ『マコちゃん絵日記』ではまった。
 古賀亮一kashmir大沖など、他の作家陣も持ち味を充分に発揮していて(良い意味でいつも通り)、とても面白かった。