次期基本セット「マジック2010」導入に辺りルール変更

 2009年7月11日(マジック2010のプレリリース日)から有効。
 カジュアルプレイヤーの視点でゲームを見直し、直感的に理解しにくい部分を判りやすくするコンセプトに基づいた変更らしい。詳細は上の公式サイトを熟読して下さい。以下、変更について感じたこと。


  • (1)同時マリガン

 時間がもったいないと感じていたので大賛成。

  • (2)用語の変更
    • 場→戦場(battlefield
    • 呪文のプレイ→唱える(cast)
    • 土地のプレイ→プレイ(play)
    • 起動型能力のプレイ→起動する(activate)
    • ゲームから取り除く→追放する(exile
    • ターン終了時に→終了ステップの開始時に

 battlefieldは長く感じる。playが訳し分けられていた日本語版と違って、英語版だと混乱を招きかねないため修正に値するとは思うけど、fieldじゃ駄目なんだろうか。
 カジュアルでキャストする、アクティベイトする、という言い方をする人は前々からいたのでこの辺の違和感はあまりなさそう(ネット上の質問で「発動」という文字を目にする度に軽く苛立つ。用語を正確に使えずにルールが理解できると思ってるんだろうか)。
 イメージも考慮した上での用語変更のはずだが、「追放する」はしっくりこない。これに伴って「ゲーム外領域」は「追放領域」に変更。追放領域はゲーム内のため、いわゆる「願い/Wish」でサーチできない。今度カジュアルプレイ用に懐かしのウェイクを作ろうと思っていたのに…。
 ターン終了時云々は説明が少し面倒だったのでこの修正はありがたい。

  • (3)ステップごとにマナプールが空に&マナバーン廃止

 《エラダムリーのぶどう園/Eladamri's Vineyard》終了のお知らせ。マナバーンがなくなるのは寂しいような気もするけど、ライフを自ら減らす手段は本来のデザインから外れていることを考えると妥当か。アップキープに出したマナをドローステップに持ち越せない点に注意したい。

  • (4)トークンのオーナーは場に出た際のコントローラー

 《刻印/Brand》が再び紙に。

  • (5)戦闘ダメージはスタックを使わない

 戦闘ダメージステップに入ると即座にダメージが与えられる。戦闘ダメージをスタックに積んだ後で場から消える、いわゆる「当て逃げ」ができなくなる。
 例としての判りやすさもあって、《モグの狂信者/Mogg Fanatic》が弱くなったという話題が多い。でもテンペスト当時のルールにスタックは存在しなかったから、元のデザイン通りの挙動に戻っただけ。新ルールでもモグファナは充分強い。とはいえ《変異種/Morphling》の弱体化は寂しい。
 この変更に伴い、複数ブロックの処理がややこしくなっている。

    • 【ブロッククリーチャー指定ステップ】
    • 攻撃側プレイヤーが、ブロッククリーチャーを倒したい順に「列に並べる」。
    • 優先権が得られる。除去、再生、軽減をしたいならこのタイミングが最後。
    • 【戦闘ダメージステップ】
    • 列の1番前から順に戦闘ダメージを割り振る
    • 致死ダメージ以上を割り振ったら次へ(トランプルに似た処理)
    • 割り振りが決まったらダメージは即座に与えられる(スタックに積まれない)

 以下に定番中の定番、《灰色熊/Grizzly Bears》を用いた解説。

310 名前:名無しプレイヤー@手札いっぱい。[sage] 投稿日:2009/06/10(水) 21:15:27 ID:5GJCegd+0
>>302
>>305

おい甲鱗様が攻撃だ!ブロックするヤツは前に出ろ

怒り狂うゴブリン「ここに」
灰色熊「俺も」
丘巨人「じゃあ俺も」

よし並べ、甲鱗様は「丘巨人・熊・ゴブリンの順」に選んだ
甲鱗様が順に致死ダメージを与えてくぞ3点・2点・トランプルないから残りはゴブリンに3点だ!
甲鱗様も6点食らって墓地行きだ

以上戦闘終了!


こんな感じでOK?

2chTCG板「【MTG】最新セット雑談スレ260」より転載)


 4/4の生物2体に3点ずつ割り振った後に全体火力でとどめ、のようなプレイングはできなくなる。マイナス修正のカードが若干活躍しやすくなったかな。コンバットトリック好きとしては、《苦悶のねじれ/Agony Warp》がより使いやすくなってありがたい。

  • (6)「接死/Deathtouch」が常在型能力に

 接死持ちからダメージが与えられると、状況起因効果によって破壊される。「致死ダメージと接死で2度再生が必要」といった事態がなくなる。また、接死持ちは複数ブロックされた際に現行ルール同様、好きな値の戦闘ダメージを割り振れる。

  • (7)「絆魂/Lifelink」が常在型能力に

 ダメージが与えられると同時にライフを得られる。また、絆魂を複数持っても無意味。
 ここ3ヶ月ほど2chmixiのルール質問スレに目を通している中、絆魂でライフを得るタイミングについての質問は頻出。現行ルールでは誘発型能力なんだから当然だろうと思ってしまうが、そもそも優先権や状況起因効果を理解していないプレイヤーもいる訳で。


 以上7点。第6版ルール導入時の大改変に比べたら、ゲームデザイン的にそこまで大きな変更ではないはず。
 ルール変更とは関係ないけど《ボール・ライトニング/Ball Lightning》の再録が非常にうれしい。



 記事中で新2色ランドが公開されている。

《氷河の城砦》
 土地
 氷河の城砦は、あなたが平地か島をコントロールしていないかぎり、タップ状態で戦場に出る。
 (T):あなたのマナ・プールに(白)か(青)を加える。

 良いバランスだと思う。色マナの配分以外に、基本土地の分量も考える必要がある。今までと違って、後半になるほどアンタップで出しやすくなるのが面白い。