コミックビーム8月号雑感

※作品の具体的な内容に言及しています。単行本派の方はネタバレ注意。


 タイム涼介アベックパンチ』。ついにイサキ始動。この作品、もっと注目されても良いと思うんだけどなー。掲載順位は上の方だからおそらくアンケートでは好評なんだろうけど、何分雑誌そのものが読まれてなさすぎる。
 鈴木みそ『銭』。内容が薄いとは思わない、むしろストーリーの進行と金の仕組みの豆知識、次回への引きをきちんと盛り込んでるんだけど、もう少しページが欲しい。というかひとつのエピソードを短い話数でまとめてもらいたい。ホスト編も面白いけど、もう半年やってる訳で。
 志村貴子放浪息子』。高槻くんがかっこいい回。「いいんだ」という決意やデートに誘うシーンが凛々しい。安那ちゃんは付き合いだして完璧超人なことが明らかになってから、取り立てて好きではなくなってしまった。土居が本格的にうざくなってきて厄介。何か意外な意図があったりするんだろうか。
 宮田紘次ききみみ図鑑』。音楽のイメージを映像として見せるパターンには飽きそうだなと思っていたところ、今回は声の情報を元に想像を膨らませるパターン。作品のコンセプトは変えないまま毛色が違う話になっていて感心した。
 上野顕太郎夜は千の目を持つ』。有名マンガと一休さんのパロディ「○休祭」後半。前半の『魔少年ビーティー』の完成度はすごかった。『ピューと吹く!ジャガー』は「間」に違和感があったけど、2ページ構成だと仕方ないのかも。屏風の虎がニャンピョウになっててにやり。『ロボット刑事』は見事の一言。最近注目度が上がってきている福満しげゆきをネタに使う際、あえて『僕の小規模な失敗』時代の絵柄を真似る辺りがウエケンの拘りなのか。『DEATH NOTE』には笑わせてもらった。
 金平守人『かねひらでCHU』。「なんだかくん」は好きなんだけど、連載の企画を編集長が断固反対したのは判る気がする。時事ネタいじりをちょいちょい盛り込んだ作品に逃げずに必死でアイデアを捻り出せってことだと解釈した。次号どうなるんだろう。