新年のご挨拶 2017

 あけましておめでとうございます。2017年もよろしくお願いします。


 いつも掲げる目標「とりあえずブログ更新」が達成されないままなので、引き続き試みる方向でひとつ。「年明けを区切りに頑張る」ことができるなら先行して12月から実行することも可能なはずだ……と考えるも結局スタートを切れないとか、「俺マン」*1を選ぶために12月31日ギリギリまで追い込みをかけるも読み終わらないとか、毎度反省が活かされていない。いまこれを書きながら迫る24時に焦っている辺りも相当駄目だ。
 継続が苦手な自分でもTwitterでのマンガ新刊注目タイトル発売告知は習慣として身に付いたので、この成功体験を他にも応用したい。あとは抱負がふたつほどあるので、その実現に向けて予定を組んで進めていく。何にせよ手を動かして形にすることが肝要だ。

*1:「俺マンガ大賞」の略。Twitterで年間ベスト作品を投稿する企画。 http://oreman.jp/about/

『イハーブの生活』『来世であいましょう』『メタラブ』小路啓之の訃報

 マンガ家、小路啓之が逝去した。自転車で走行中に転倒して頭を強く打った可能性があると見られている。


 長期連載や大ヒット作こそなかったものの、独自の作風でコンスタントに作品を発表し続けてファンを獲得している作家だった。お悔やみ申し上げます。


 2014年にモーニング・ツーヤングチャンピオン烈でダブル新連載がスタートしたのが記憶に新しい。メモしたきりでブログにアップせず死蔵されていたテキストがあったので載せておく。

  • 『メタラブ』

 モーニング・ツー8月号(6月21日発売)から連載開始。
 他人が内心望んでいるメッセージが聞こえる男の話。ずっと頑張り続ける姿勢を周囲から褒められ当人も「そういうキャラ」だが本心ではもうやめたい……と思っている人間にさらっと優しい言葉をかけるなど、コミュニケーションでは失敗知らず。ところがある日出会った女性からは何も聞こえてこない。武器を失ったら一転弱者。さてどうする?
 心の声が聞こえる能力は定番だが、ツカミがセックスなのがこの作家らしさ。相手が欲しがるベストのタイミングで挿入できる能力、これは強い。
 「聞こえる」とは言ってもマンガなので台詞と同じく、しかし差別化された文字表現になるわけで、その辺りにも着目している。両耳を通り抜けるかのように見せる横書き文章(→)と、読者の視線の流れ(←)が合わないのがやや引っかかる。

  • 『束縛愛 〜彼氏を引きこもらせる100の方法〜』

 ヤングチャンピオン烈7月号(6月17日発売)から連載開始。
 他人の頭上に浮かぶ「数字」が見える少年。この増えることはあっても減ることはない数字、変わり者の少女と遭遇してから自分にも表れたことに気付くが……。
 法則を探っていく話なのかと思いきや、主人公のものが数字どころかナメック文字より判読不能な記号の塊でぎょっとした。これが少女の秘密とどう絡んでいくのか。
 

 ちなみに初連載作『イハーブの生活』の新装版がマッグガーデンから刊行されている。

 2016年に始まったミラクルジャンプでの『雑草家族』、コミックフラッパーでの『10歳かあさん』は未完となってしまった。


 マンガ家の突然の訃報に接する度に思う。新作を読めるチャンスが永遠に失われてしまったのは哀しい。しかし一度世に出た作品は変わらず存在し続けることができる。そのためにも出版社には、絶版本の電子書籍化や、単行本未収録の原稿を編集するといった、マンガを生かす手段をお願いしたい。
 具体的には、コミックフラッパー2016年3月号に掲載された読切『浮遊する種』*1を読みたい(コミックフラッパーは2016年3月から電子版も発売されているはずだが、現在5月号以降しか検索でヒットしない)。

コミティア117で入手した本

 8月21日に開催された、自主制作漫画誌展示即売会「COMITIA117」で入手した本を記録しておく。
【書式】 著者名(サークル名)『書名』 ※サークル配置番号順

  • sigama(エスビダブル)『新米教師、異世界にJKという概念をもたらす』
  • 山像樹(咆哮剤)『成年漫画批評大観』
  • クサダ(ジェニーハニバー)『となりの酒屋さん』
  • T-10、ポーン、位置原光Z(クソライダー)『あばれ百合』
  • タオルまるめちゃお『サンダーボルト』*1
  • 時田(0丁目)『地の光はすべて人』
  • 今成震(しめ)『かおるセクスアリス』
  • 嘯、友人代表(嘘麦畑)『名探偵灰川真澄の冒険 増刊号』
  • たみふる(しっとりオブラート)『空気人形と妹』
  • 遠藤(親戚一同)『マジオチくんのファッションわかりませんでした』
  • 肋骨凹介(肋屋)『非凡の常』
  • 肋骨凹介(肋屋)『金宮さん(仮)』*2
  • イカタ(マイカタ工業)『俺がサキュバスおまとめ本』
  • メカBoo(モテすぎてこまるぜ)『稲荷神社本』
  • 巽(朱民)『人間ではない Ver 1.0』
  • たいぼく(おおきめログハウス)『たいぼくログノート林』
  • zinbei、たいぼく(おおきめログハウス)『MORGENROT+』
  • たかみ弌(ein)『ボドゲカイの憂うつ』
  • 随時(魚群)『天狗の湯』
  • 器械(秋田モルグ)『』*3
  • とよ田みのる(FUNUKE LABEL)『最近の娘さん イヤイヤ編』
  • Go_MOS、告白男(うだつフラット)『Sweet Summer』
  • 鈴木小波(パコキリン)『監禁くんと拷問さん』
  • 西村ツチカ(西村ツチカ)『友達が描いたマンガ』


 以下は、今回のイベントの新刊ではないもの(タイトルの後に特記がないものは2016年の夏コミ新刊)。

  • 著者:伊藤伸平、編集:おだぎみお(ちっく)『シン・ワシラ』
  • 著者:おだぎみお、協力:伊藤伸平(ちっく)『裏カスガイ19』
  • 今成震の既刊
  • 笛ガム、マイカタ、カンユ(酒乱ペンギン)『缶詰をちょっとつまんでみたハナシ』グルメコミックコンベンション
  • イカタ、時田、犬犬 ほか(マイカタ工業)『ぽっちゃり入門マガジン ぽちゃいち 2016 SUMMER』
  • 再田ニカ(地獄で待つ)『ぱのにか学習帳』コミティア114
  • 発行人:緑虫、編集:84式山形人(漫画トロピーク)『このマンガガガガ VOL.4 SUMMER 2016』*4
  • 森倉円(CANVAS)『LaLaLa♪ LINGERIES!』コミティア116
  • 森倉円(CANVAS)『SCHOOL GIRLS portrait』
  • 森倉円(CANVAS)『CANVAS BOOK 1』
  • KRSG(有線ワイヤレス)『クソコピ本ファイナルリマスターEDITION』
  • G=ヒコロウ雑君保プ道満晴明ジークンドー)『不安のグルメ』
  • 編集:永山薫『マンガ論争15』*5
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【追記】
 肋骨凹介さんはネタの拾い方が以前から好きだったが、ショートショート集『非凡の常』がすごく面白かったので明確にファンになろうと決めた。


 腋汗さんは今回は新刊なしで告知ペーパーのみ。商業での連載&読切掲載に向けて動いていて、先日ペンネームを背川昇に改名した。

*1:クソライダーのブースに委託

*2:4ページのペーパー。 https://twitter.com/hekosuke/status/767654756500156420

*3:無題。4ページのペーパー。 https://twitter.com/Masin_Machine/status/769897926751510532

*4:前途洋洋だ会のブースに委託

*5:企業ブースでの参加

ガルパンオンリーイベント「ぱんっあ☆ふぉー!7」で入手した本

 6月26日に開催された、『ガールズ&パンツァー』オンリー同人誌即売会「ぱんっあ☆ふぉー!7」で入手した本を記録しておく。
【書式】 著者名(サークル名)『書名』 ※サークル配置番号順

  • 天村正希(富士浅間堂)『大洗女子生理用品抜き打ち検査合同』
  • シナリオ:火田・ゑのがみ、ジャケット:高遠くろ助(kidnap company)『逸見エリカは素直にペット(ふたなりマゾチンポメス犬)になれない』 ※ドラマCD
  • リスくん(リス小屋)『西ダジ』
  • たなかあひる(田中家の鴨)『ガルペン2』
  • ヲさかな(電波ゆんゆん)『FRATELLO』
  • みちよん(ほっぺ食堂)『カップリングぱれっと
  • みぎひざ(腰痛トランスミッター)『どんなにゆっくりでも進めばよいですわ!』
  • ロマンシング阿部(ハニーデップ)『ガールズ&ロマンシング&阿部』
  • ねことうふ(GRINP)『グロリアーナの犬』
  • 明土しえん(なごみ喫茶。)『アンチョビ姐さん特盛り大作戦!』
  • 田中草男(温狐屋)『ギャグマンガですね?りょうかいであります!』

コミティア116で入手した本

 5月5日に開催された、自主制作漫画誌展示即売会「COMITIA116」で入手した本を記録しておく。
【書式】 著者名(サークル名)『書名』 ※サークル配置番号順

  • ED(EDGE)『EDの落書きまとめ5』
  • 奥たまむし(少女2乗)『もとめよ、さらばあたえられん』
  • 位置原光Z、T-10(大作戦&クソライダー)『クソ本ダイナマイトオールスターズ』
  • 中野でいち(良識派)『脳内エッセイ』
  • 三島芳治(つゆくさ)『三島芳治選集 ガールズレコグニション』
  • 荒草まほん(アレクササンダー)『エロ漫画家だけど婚活パーティ行ってきた【お見合いパーティ編】』*1
  • 山像(咆哮剤)『天之書』
  • ぺよだ(ペプパピポ)『韻を踏む4コマ』
  • 腋汗(キセガワ上流)『メイドVSメカメイド』
  • ノッツ(KNOTSBAND)『初情事一時間前』
  • メカBoo ほか(モテすぎてこまるぜ)『ブラウス合同本6』
  • 佐藤一間(鉄幻コークス)『口笛未遂 2016年5月号(通巻第3号) とむらい案件』
  • ペルライ(本物のゲリラ)『THESE FOOLISH THINGS』
  • dong-hang(コーヒーのシミ)『B.O.G』
  • たいぼく(おおきめログハウス)『台湾わ雨と犬』
  • たかみ弌 ほか(ein)『にちようボドゲ会の本』
  • ノザキ、時田、溝口(0丁目)『ダンス』
  • hounori(hounori)『キャラクターメイキング』
  • 桶(ザ借家)『フジヤマスパーク三人娘』
  • イカタ(マイカタ工業)『ケモ女子ひみつ会議 ゴールデンウィーク
  • 川西ノブヒロ(陸離)『うしろでささえちゃん』
  • unyon(GYROSCOPE)『@部募集中!』
  • 泉信行 ほか、編集:高瀬司(前途洋々だ会&Merca/アニメルカ)『Merca β03』*2
  • 西村ツチカ ほか、編集:森敬太(ジオラマブックス)『ユースカ 第五号』
  • 模造クリスタル(模造クリスタル)『リレントレスオーバータワー』
  • かれい(カイセンドン)『From Now ON 2』
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 入場の際に必要となるカタログ、ティアズマガジンの表紙を今回ついに位置原光Zが飾った。アオハルに掲載された『アナーキー・イン・ザ・JK』を読んで氏のファンになり、過去の同人誌のまとめ本が欲しいという動機で初めてコミティアに一般参加したので感慨深い。イベントが始まっているのに、コピーしてきた原稿の束を机に並べてホチキスで「会場製本」している様子は実際ある。

*1:COMIC1☆10(5月1日)が初出

*2:第二十二回文学フリマ東京(5月1日)が初出

深夜ラジオの雄、伊集院光が朝のラジオ番組を開始

 タレント伊集院光といえばクイズ番組での活躍ぶりが世間一般のイメージだと思われるが、本職はラジオパーソナリティだ。20歳で単独レギュラー番組を獲得。1995年に始まったTBSラジオ深夜の馬鹿力」(月曜25:00〜27:00)は現在も超の付く人気番組だ。
 2016年1月18日に、TBSラジオで30年続いた長寿番組「大沢悠里のゆうゆうワイド」(月曜から金曜、8:30〜13:00)が4月で終了との発表があった。*1後継者として指名されたのは伊集院光。「深夜の馬鹿力」への影響が心配される中、新番組が始まった。

 「伊集院光とらじおと」(月曜から木曜、8:30〜11:00)初回の4月11日から14日までの放送を聞いてみた雑感を書いておく。


 まず構成が想像以上に細かく決まっている。深夜ラジオは2時間番組だと前半にフリートーク、後半に投稿されたメール等を読むコーナーという構成が基本……ではあるが、生放送のノリ次第でコーナーが飛ばされたりすることもある。絶対なのはCMを入れる回数くらいだ。一方で朝番組は時間配分が厳密。たとえば「伊集院光とらじおと」では、8時45分までがおたよりのコーナーで、この枠は日本香道の提供でお送りされる。
 スポンサーの主張が強いのも深夜とは大きく異なる点だ。通常のCMとは別に、スポンサーの提供枠がいくつもある。開始時にヤマザキやAGFなど企業名が読み上げられ、終了時に関連商品のリスナープレゼントの応募方法が告知される形で、間のトーク内容は比較的自由のようだった。一方で完全な通販番組、ラジオショッピングのコーナーも存在する。
 伊集院光は過去に日曜昼の番組を担当していたこともあってか、定型が求められる部分はそつなくこなしていたように思う。とはいえ横槍を入れるのが許されないスポンサーの宣伝タイムは退屈だ。好きなコーナーに集中して聞く方が良さそうに思える。


 今後も聞きたいなと感じたコーナー。まずは「伊集院光とらじおとニュースと」。最新のニュースに対して、あとから情報が追加されて何か覆ったりするかもしれないが、現状の意見をコメントする。「炎上を恐れない」とも言っていたかな。深夜と違って笑いに寄せない語り口で氏の考えが聞ける機会はあまりなかった。これは曜日に関係なく毎回9:00スタート。
 火曜日だけのコーナー「Yahoo!知恵袋 俺の五つ星」。食事にまつわる忘れられない思い出の味のエピソードを募集して発表、お店の現在などの詳細を調査する。記憶の中で過度に美化されている可能性も込みで、情報を集めて検証していく過程が楽しめるのではないかと。
 ちょっとあれなレコード「あれコード」を紹介する企画は好きだけどたぶんレギュラーではないはず。昔やってた「おバ歌謡」の路線だ。
 あとはプレゼン対決で勝った方をリスナープレゼントにする「伊集院光とらじおとぷれぜんと」(水曜)、旅行体験談を語る「H.I.S. presents 伊集院光とらじおと旅と」(木曜)。このふたつは若手芸人に出番が与えられていてグッド。


 ゲストを呼んでのトークゾーンはいずれも面白かった。阿川佐和子のお見合いエピソードとか、石塚英彦の結婚秘話とか。深夜ひとり妙なテンションで長々としゃべり続ける伊集院光が一転、ゲストが話しやすいようにパスを出す様子を耳で拾うのも楽しみのひとつ。しかし松村邦洋には終始笑わされた。恋愛についてはプロで、みたいな話に一瞬理解が追い付かなかったが、ソープのことだと判り納得。朝の番組なのでもちろん軽いお叱りを受けていた。


 現時点での判断として、週の合計で10時間かけて聞くほど面白さに密度がある番組には感じていない。というか録音が面倒なのが何よりの問題。各曜日でアシスタントが変わる体制なので、メンバーの持ち味を理解したら感想も変わってくるかもしれない。とりあえずは興味のあるゲストが来ると事前に判った回だけチェックする聞き方になると思う。
 4月20日(水)はゲストに六代目三遊亭圓楽(襲名前は楽太郎)、伊集院光の落語家時代の師匠が来るので必聴。

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伊集院光のてれび 完全版 ~真剣じゃんけん 女芸人編~ [Blu-ray]
 企画・構成・演出・主演・編集・ロケ弁発注、伊集院光全権掌握番組。結託か裏切りか、疑心暗鬼の勝負「真剣じゃんけん」で揺さぶられる女芸人の生々しいリアクションを追う。

四谷啓太郎『大人になったら美人になる子ちゃん』ヤングマガジンに掲載


ヤングマガジン 2016年14号 [2016年3月7日発売] [雑誌]


 四谷啓太郎はショートマンガをTwitter等で発表していて、そのうちの1本を12ページにふくらませたものが読切としてヤングマガジン2016年14号(3月7日発売)に掲載された。
 オリジナルを読むにはこちらのURLをクリック。 [ https://twitter.com/ezweb_dylan/status/682562862343049219 ]


 2015年夏にジャンプ+に掲載された『悪魔のメムメムちゃん』が面白かったので次回作に期待していたのだけど、ヤンマガに呼ばれるとは。今後どうするのかな。

 メムメムちゃんは作者の武器、赤面と涙目がてんこ盛りとなっている。サキュバスとしての成績が悪くて困っているのだが、妙に図々しいというか「コイツいい性格してんな、おい」と思わせる魅力がある。大ゴマの使い方だけでも読んでみてほしい。


 過去作品は概ねpixivにもアップされている。初めて読んだのは以下の5枚目「クイズ」だったはず。

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【追記】
 前号のヤングマガジンで始まった、アズ『手品先輩』もなかなか。試し読みは以下のリンクから。

 雑誌の表紙で新連載のアオリ文が「パンチラありマス*1」なのがいかにもヤンマガ。ただその「赤面+汗タラり」のカットに当たりではないかと思わせるものがあった。
 後輩男子を困らせてくる先輩女子……がへっぽこなショートギャグ。雑誌の中でいいポジションに居座れるかどうか。第3話*2のエプロン姿の髪型がめっちゃ好みだったのがこの追記を書くエネルギーとなった。やや長めのボブカットをちょいと後ろでまとめたスタイルは最高。


 メムメムちゃんと同じ企画で掲載された作品をもうひとつ紹介。読切が好きな人には強くオススメ。

 ゼノンで一芸突破マンガオーディション優秀賞を取っていたとは知らなかった。WEBでも読めるのはありがたいが、ぜにょんの縦スクロールフォーマットが見開きを殺しているのが悔やまれる。

*1:原文は□内に/の記号

*2:最新号では一挙2話掲載